安価で簡単なはずの発酵式二酸化炭素添加を私がやめた理由

 

あなたが二酸化炭素の添加をアクアリウムで始める時に、「発酵式」というワードを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
発酵式での添加方法はスタートするまでのコストが安く、少しDIYをするだけで簡単に始めることができるという夢のような添加方法です。

かくいう私も二酸化炭素の添加に発酵式を使用したことがあります。

使用し始めたのは冬場で、しっかり反応させるためにカイロを使って温めたり、どのようなものであれば効率的に運用できるのかを考え、悩みながら使っていました。

しかし結果、私は発酵式の添加方法をやめることにしました。

今回はその発酵式のメリットやデメリットを実際の経験を交えてお話ししていこうと思います。

 

発酵式二酸化炭素添加法とは?

 

発酵式とはその名の通り、発酵によって生産される二酸化炭素を利用して水草の育成に役立てるという添加方法です。

詳しいやり方は色々なサイト・ブログで紹介されているので割愛しますが、この発酵式添加方法はコストを抑えてスタートすることができるため、初心者の登竜門的扱いになっているように思います。
初めて水草を育ててみようという人にとって二酸化炭素の添加はハードルの高い物になりがちですから、敷居の低い発酵式は二酸化炭素の添加がどのような効果をもたらすのかを知るためにはとても良い方法なのではないでしょうか。

 

発酵式なら簡単に始められる

 

発酵式は前述の通り、二酸化炭素を添加するときにスピーディーかつ安価に始めることができます。

私は当時、アクアリウムのいろいろなブログを読んでいてそこからの情報で知ることになりました。発酵式で実際に水草を綺麗に育てているのを見て、「私にもできるのではないか?」と思って始めたのがきっかけです。
当時の私の水槽は二酸化炭素を添加していなかったためか、水草の育ちは悪く、細長く上に伸びた草姿が悲しく思えました。
みすぼらしく生えた水草をどうにかするために照明を改良したりしましたが、結果二酸化炭素の添加を藁にもすがる思いでやってみることにしたのです。

 

発酵式で始めてみることに

 

発酵式二酸化炭素を始めたのは冬場、発酵自体もあまり活発ではありませんでした。

最初の気泡がスドーのエアーストーンから出るまでに1日以上かかり、カイロで温めながら振ったりなど試行錯誤をしていました。実際に気泡が出てしまえばあとは2日程度は放置していても気泡が出続けました。

もちろん夜間のエアレーションは欠かさずに行いました。夜にも二酸化炭素が出て続けてしまうため、熱帯魚は酸欠状態になってしまうからです。
手間のかかる作業ではありましたが、地道にやっていました。

 

添加量を増やしてみたくなる

 

二酸化炭素の添加をする理由はもちろん水草を元気に育てるためなのですが、副産物としての「水草からの気泡を見たい!」という理由で憧れる方もいると思います。
私自身も水草からの気泡が見られたらと思って始めたのもいうまでもありません。
もちろん発酵式でも見ることができましたが、発酵式では夜間にエアレーションをしているために電気をつけるタイミングではほとんど二酸化炭素は溶けていません。
そのため、二酸化炭素がある程度の量まで溶け込むのにかなりの時間を要しました。

溶け込んだ後に水草が元気に光合成をするため、気泡をつけ始めるのは電気をつけてエアレーションを止めてから3時間後以降までかかりました。

照明を点灯させるのはせいぜい8時間程度なので、その間しか水草からの気泡を見ることはできませんでした。
想像の通り、気泡が見られたのは全ての水草ではなく、活発に光合成をする有茎草ばかりです。

そこで私が考えたのは、発酵式のペットボトルを増やすことでした。

 

2つのペットボトルからの添加に挑戦した

 

添加量を単純に2倍にするべく、私はペットボトルを2つ作成しました。それを分岐用の三叉コックを用いての添加に切り替えました。

ペットボトルの蓋に穴を開けて接着し、ジョイントを差し込む・・・そして添加。
数時間後のスドーのエアーストーンはまるでエアレーションをしているかのような勢いになりました。これでよかったのか?と思ったのは、勢いよく気泡が出ていること。こんなに勢いよく出ても意味がないのではないだろうか?

無駄にしている気がする・・・。

ここまで圧力が高ければ、もっと細かい気泡で運用することができるはずだと思った私は、様々な素材でディフューザーを試してみることにしたのです。

 

細かい泡が出せるディフューザーを探した

 

私はすでにスドーのエアーストーンから出る気泡では満足できなくなっていました。

よく行くアクアリウムショップで見るディフューザーはガラス製の綺麗なもので、かつ細かな気泡を出していたからです。私はそのように細かい気泡が出ている水槽にある水草は、とても綺麗に育つものだ!と信じ、細かな泡が出せるディフューザーを自作しようと目論みました。

実際私が使用したものとしてメラミンスポンジ、割り箸、タバコのフィルターなどを試しました。

この中でも優秀だったのはタバコのフィルター、これはもちろん未使用のものを使用しました。
吸っていないタバコからフィルターのみを取り出すのは残酷でありましたが、ケアレスミスで失敗してもさらにタバコからフィルターを取り出すという残虐(?)な行為を繰り返しました。

タバコのフィルターを取り付けると、それ相応に細かい気泡が出ました。自分が思っていたよりもかなりいい結果になったためにしばらく見つめていました。

しかし、残念ながら数時間後には大きな気泡を出すものになってしまったのです。

原因としては水中にあることによりタバコのフィルターの形が崩れていったこと。それに加えて気泡がずっと通り続けることで、いつも気泡が通る道フィルター内に出来てしまっていたことでした。

比較的高い圧力をかけていると素材自体の変形も考慮しなくては、細かい気泡を継続して出すことはできないと学びました。

 

実験を繰り返しているうちにペットボトルが破損

 

私が試行錯誤している間になぜか気泡が出なくなることがありました。

圧力自体が数値化されていないのもあって、「フィルターを詰め込みすぎただろうか?」などと思っているとペットボトルの蓋からは、無残にも取れてしまったジョイントが中空にぶら下がっていました。
接着剤での接着が甘かったのだろうと、さらに接着を施すのですが、ギリギリに開けた穴に接着剤はしっかりと付着していないらしく、その後も取れたりしたことが多々ありました。

それを繰り返しているうちにだんだんと面倒に感じるようになり、最終的には発酵式の添加方法をやめてしまうことになりました。

 

発酵式を使ってみたメリット

 

私が発酵式を始める前と始めた後では、水草の成長はやはり違うように思えました。

どのような添加方法であれ、添加をするのとしないのではやはり雲泥の差があったと思います。手軽に始められて、あれだけの効果があるのであれば満足できる人がいるのも頷けます。
逆流などの心配もしていましたが、勢いよく発酵させてしまうことがなければさほど気にすることもないように思います。もちろん逆流防止弁をしっかりと使用し、水面付近までペットボトルを置くことがないようにする必要はあります。

 

発酵式を使ってみたデメリット

 

もちろん、発酵式の使用をやめることになったのですからデメリットの方がかなり多く感じられました。

私が大きく感じたデメリットは以下の3点でした。

  1. 溶液を作る手間
  2. ペットボトル破損の修理
  3. 添加量の不安定さ

これらの点から発酵式を続けていくのはメリットが薄いと感じたのです。

溶液は勢いよく発酵させればさせるほど、消費量が多くなります。多くの二酸化炭素を添加しようと思えば必然的に交換の頻度が早まってしまうのです。少なめの量を添加するだけであれば、メンテナンスの手間を優先させることもできます。
もちろん私ほどのズボラ人間になると交換期間が長くなる=終わる時期がわからない=放置、の流れになってしまうため相性は最悪だったと言えるでしょう。

案外忘れがちになってしまうのですが、ペットボトルの蓋を加工していくのはあなたが思っている以上に労力を使います。

苦労して作ったカスタマイズ蓋が無残にも空気もれを起こしていた時など、悲しみにくれて水槽を見る景色がぼやけて見えることでしょう。
さらに言えば、空気もれを起こしているということはせっかく発酵した二酸化炭素も大量に無駄にしていることになります。
エアーストーンでの添加であればそこまでの圧力は必要ないのでダメージこそ少ないですが、「少し細かい泡で添加してみようかな!」なんて思っていて、ペットボトル内の圧力が逃げてしまった時はより一層モチベーションを下げてしまいます。

 

自分の手間もコストに含めて考える

 

これだけの手間をかけて二酸化炭素の添加を行うことが本当にコストパフォーマンスがいいのかを考えました。

1時間の作業をペットボトルの修繕にあてていれば、だいたい1000円をコストとして使っていることになります。そのコストを含めて考えるとやはりコスパが良いのはミドボンでの添加なのではないかと思います。実際に私はミドボンの添加に切り替えてからは1度もミドボンに触っていません。そのくらい手間のかからないものでした。

詳しい比較は別記事にまとめてあります。

最安値徹底比較!コスパを重視した二酸化炭素の添加方法とは?

2017.05.26

手順全図解!ミドボンを使った二酸化炭素添加方法

2017.05.29

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です