スポンジフィルターのツインは邪道!シングルが吉な理由

 

小型水槽で重宝されるスポンジフィルター。
よくアクアリストに使用されるのがテトラ社の「ブリラントフィルター」ですよね。
このブリラントフィルター、ツインとシングルがあってどちらを選んだらいいのか迷ってしまいがちです。
これからスポンジフィルターを導入しようと思っているあなたに、私はシングルでの運用をオススメしたいと思います。
その理由も合わせて参考にしてみてください。

 

ブリラントフィルターの構造から考える

 

スポンジフィルターの構造は俗に「エアーリフト式」と呼ばれるものになっています。
これはエアーポンプから出される気泡の力を使って、水を押し上げて循環させる方法です。ほとんどのスポンジフィルターにこのエアーリフト式が採用されています。

このエアーリフト式はエアーポンプを使用するため、二酸化炭素の添加には不向きです。なのでベアタンクでの飼育や、二酸化炭素の要求量が少ない水草との相性がいいです。
それに水流が程よく弱いために、強い水流を嫌うベタやアピストグラマなどの飼育に使われることが多いです。

この構造からツインにするべきではない理由を考えていきます。

 

吸水が2つあることはメンテナンス時期を知りにくい

 

ブリラントフィルターのツインには文字通り2つの吸水が設けられています。
この2つであるメリットとしては、交互にメンテナンスができるというところです。むしろそこ以外はメリットがないと判断してもいいでしょう。

吸水する場所が2つあるということは、それぞれのメンテナンス時期を把握しなければなりません。
どちらも同じタイミングで詰まってしまうようでは、シングルで十分のはずです。
そして2つあることでどちらのスポンジが「どの程度詰まっているのか」を把握しづらくなります。

もしも片方がかなり詰まっていて水質の悪化の原因である場合、それを見逃してしまうことは大きな問題です。
まして、小型水槽ともなれば水質の悪化は熱帯魚の直接的な死因ともなりますから、とても重大な問題と言えるでしょう。

 

メンテナンス時の排水量が多くなってしまう

 

30cmキューブ水槽の水量は約25ℓです。その25ℓはそこに住む熱帯魚にとっては世界の全てであり、生きるための環境の全てとなります。
スポンジフィルターのメンテナンスは、スポンジを飼育水でもみ洗いするのが基本です。そのためツインにしてもみ洗いすると約2倍の飼育水を無駄にしてしまうことになります。

メンテナンスのために排水量が多くなるということは、換水時の新しい水の割合が多くなってしまいます。そのため水質を一定に管理することが難しくなり、飼育魚のストレスにも繋がります。

 

水槽内のスペースを多くとってしまう

 

アクアリウムショップなどで見ることもできますが、30cmキューブにブリラントフィルターはかなり大きく感じます。例えそれがシングルだとしてもです。
それがツインになることで更にスペースを圧迫しますので、あなたがレイアウトを考えているなら絶対にシングルにした方がいいでしょう。
内容とポテンシャルはほとんど変わりませんからね。

 

メンテナンスの手間も倍になる

 

もちろんメンテナンスの手間も単純に倍になります。
スポンジフィルターを使用して初めて気になり始める、メンテナンス後の飼育水の濁りも2倍です。住めるバクテリアの量も倍にはなりますが、定期的に飼育水でもみ洗いするため、ツインにすることで単純に効果が2倍・・・とはならないと思います。

 

スポンジフィルターで学べること

 

スポンジフィルターの構造はいたってシンプルがゆえに、メンテナンスがとても難しいです。
難しいというのも、メンテナンス自体はお手軽にできますし、導入時のコストもとても安いです。その反面、「自分がしっかりとコントロールすること」が難しいのです。

この水質管理の難しさは初心者こそ体験すべきなのかもしれません。
あなたの水槽に住んでいる魚たちをよく観察し、どのような状態に日々変化していくのかを捉えることができれば、スポンジフィルターはとても安価で高性能な装置になります。

水質管理の向こう側にある「適切な観察」を身につけることができるのが、スポンジフィルターの最大の利点であると、私は思います。

その第一歩として踏み出すのであれば、ツインの感知しにくいランダムな水質変化は邪道であると思います。
あなたがこれからスポンジフィルターの導入を考えるなら、シングルでの運用をおすすめします。

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