水草レイアウトを作っていくときに一番高価なモノになるフィルター。二酸化炭素を添加するつもりなら「外部フィルター」しか選択肢はないと言ってもいいですよね。
そんな外部フィルターをこれから選んでいくときに私はエーハイムのフィルターを強くオススメしています。
「エーハイムのフィルターはいろんな種類があって選ぶのが難しい・・・。」
・・・と思いますので水槽の大きさによって私が個人的にオススメする種類と、その理由をずばりご紹介しようと思います。
外部フィルターは大が小を「兼ねない」
まず前提として外部フィルターを選ぶときに「大きいものであれば良いものだ!」と思って選ぶと、あまりいい結果にならないはずです。
それもそのはず、外部フィルターは水槽の大きさによってメーカー推奨のサイズがあります。これはフィルターの流量やろ過槽の大きさで、推奨のサイズを指定しているようです。
もし、30cmキューブ水槽にとてつもなく大きな(強力な)フィルターを使っても、流量が強すぎることで水槽内がかき回されて「洗濯機状態」になってしまいます。
そうすると飼っている魚たちも疲れてしまって弱りますし、せっかく綺麗にレイアウトしても流れの強さによって崩壊してしまうことも考えられます。
また大きな水槽にろ過槽の小さなフィルターをつけると、ろ過が十分にできずに水質の悪化を招く恐れがあります。
まさに適材適所でなければならないことが、悩む原因であるとも言えますね。
フィルターを選ぶ際に見るべき場所
「外部式フィルターを選んでいくときに見慣れない数値などが書いてあってどれを選んだらいいかわからない!」
そんなあなたが見るべきポイントが3箇所あります。
- 最大流量
- 最大揚程
- ろ材容量
それぞれのスペックはどのようなことを表しているのかも合わせて説明していきます。
流量とは「水の流れるスピード」
流量は文字通り、水が流れる最速値を表しています。
単位はℓ/h(リットル パー アワー)で1時間当たりでどれくらいの量の水を送れるのかを表します。
水が流れるスピードが早ければ早いほど、水槽の中の飼育水がフィルター内をスムーズに循環することができるようになります。
フィルターから吐出された水は、水槽内にある水の抵抗を受けます。そのため吸水口までの距離が長くなればなるほど、循環は遅くなります。
だから流量が多いものを大きな水槽に使うのです。
前述の通り、30cm水槽で流量が大きなものを選ぶと水槽内の水の流れが早くなってしまいますから、水槽の大きさによって選ぶべきポイントです。
もちろんフィルター内の目詰まりや、フィルターをつなぐホースの汚れも流量を減らす要因になりますから、あくまで「最大流量」だということを覚えておいてください。
聞きなれないワード、揚程は「パワー」
揚程とは純粋なフィルターのパワーです。
流量は流れを阻害するものがない場合に、どれくらいの量の水を吐出できるのかを測るのに対し、揚程は「阻害するものがあっても流れを維持し続ける能力」を表します。
極端な話をすれば、揚程が大きければ目詰まりさえも流し尽くせると考えてもらうとイメージしやすいかと思います。
この揚程の単位はm(メートル)で表されます。
揚程は「フィルターから何mの高さまで水をあげることができるのか」を表しているために見慣れている単位が使用されているわけです。
フィルター内部のモーターが強ければ強いほど、「高い位置まで水を運べる=重力に逆らって水を運べる」ので、選んだ水槽がハイタイプである場合などに気にするべきポイントかもしれません。
ろ材容量は1つの指標
ろ材容量はバクテリアの住処となる、ろ材を入れられる量を表します。しかしろ材を詰め込めば詰め込むほど、水流の抵抗となりますから、詰め込みすぎるのもあまりよくありません。
ろ材を選ぶポイントとして、水流がしっかり回ることも重要です。ろ材容量が多いからといって、たくさん入れればたくさんの魚を飼えるわけではありませんので注意が必要です。
私が1番おすすめできるのはエーハイム2217
タイトルの通り、私が1番信頼感をもってオススメするのがクラシックシリーズの2217です。
では、せっかくですから2217のスペックを見てみましょう。
エーハイム2217のスペック
画像はエーハイム社の製品説明pdfファイルからの引用です。
最大揚程は2.3m、つまりフィルターから2.3m上まで水を上げることが可能です。
最大流量は1000ℓ/hで1時間に1000リットルもの水を回すことができます。
60cm水槽での水量はだいたい60リットル前後と言われていますから、うまく水流をコントロール出来ていれば1時間に水槽内の水が約16回循環します。
ろ過槽の容積は6リットル。エーハイム社のクラシックシリーズでは2番目に大きなろ過槽となっています。
これだけの容量があれば、硝化細菌の住処としても十分な広さだと思います。
50Hzと60Hzがありますが、関東圏が50Hz・関西圏が60Hzとなっています。
画像はSHARPの公式サイト、電源周波数地域(50Hz地域/60Hz地域)について より引用しました。
適合水槽を考えることが難しい
エーハイム社の適合水槽の欄をみてみると、101ℓ〜345ℓが適正だとされています。
60cmワイド水槽(奥行きと高さが少し大きい)の水量がだいたい120ℓ程度、120cm規格水槽が240ℓ程度ですから、かなり大きな水槽まで対応できることになります。
もちろん注意書きに
飼育する魚種や生き物およびその数量により異なります。
と書いてありますので、ここが初心者が悩んでしまうポイントかと思います。
メーカーではなくユーザー目線の適合水槽
冒頭に書いたとおり、フィルターは大が小を兼ねません。
もちろん小は大をカバーすることもできません。
この絶妙な選択をするときに、メーカー推奨の範囲が広いこととフィルター本体の値段が高価なこともあいまって、私も購入するときはかなり悩みました。
適合する水量は経験でしか感じることができません。
なぜならあなたが作りたい・育てたい環境と他のアクアリストのそれは似て非なるもので、全く同じ環境など存在しないからです。
私個人の見解があなたの役に立つことを願って「わたし個人が維持してきた実績」をここに公開していきたいと思います。
わたしがエーハイム2217を使ってきた環境
私は最初に買ったフィルターが2217でした。
やりたかったことはソイルを低床にした水草水槽。
大きさは60cm規格水槽で、熱帯魚はメインではなかったものの、合計で20匹ほどの魚を育てていました。
始めたばかりのころは水も出来上がっておらず、どうしたらいいのかを試行錯誤していましたし、油膜が発生したり魚病が流行ったりと不安定な状況でした。
ですがその後しっかりと安定し、今では90cm規格水槽にエーハイムの2217を使用しています。
2217は適合水域がとても広い
エーハイム2217は適合水槽の幅がとても広いために、その後に大きな水槽にしたくなったときにそのまま使えるところが1番のメリットです。
私個人の意見ですが、ほとんどのアクアリストが大きな水槽を増やしたり、水槽の数が経験とともに増えていきます。むしろ増えない人の方が珍しいくらいです。
そして増やしていく水槽の大きさで「メイン水槽」になりうる大きさが90cm〜120cmです。マンション住まいの方は90cmが限界だとも言えるので、90cm水槽がかなり多数を占めると思います。
初心者が始めるときに小手調べをする60cm規格水槽から、中級者・上級者がほとんど所有するであろう90cm以上の水槽。
どちらにも対応できるフィルターこそが2217なのです。
水質管理の上達ととも適正なフィルターは変わる
わたしは60cm水槽の管理がうまくいってきたときにやっと「このフィルターはもっと大きい水槽で使ってみたいな」と思えるようになりました。
60cm水槽で立ち上げるときに、慣れないうちは「ろ材の容量が・・水流が・・・」と水質管理に奔走し、フィルターのろ過能力が足りないのではないか?という結論になってしまいがちです。
しかし本当のところ、フィルターの適正水槽というのは「ろ材がしっかりと出来上がった状態」での適正であるために、60cm水槽で2213などを使うというのは初心者であればあるほど難しいのです。
大きな水槽にチャレンジできるようになるのも、水質管理をある程度マスターしているためにできることです。
そのステップアップを考えても2217の選択は間違いないと思います。
60cm水槽に2217の流量は強すぎる?
クラシックシリーズの中でもかなり強いモーターを持つ2217、果たしてその流量は
「洗濯機状態にならないのか?」
気になるポイントだと思います。
私の経験では洗濯機状態とまではいかないものの、少し水流が速いのかなという印象はありました。
そのため私の場合はエーハイム純正のアクセサリーを導入することで、水流をうまく制御して使用しました。
そのアクセサリーが「エーハイムナチュラルフローパイプ」です。
これを使用することで水流のコントロールがうまくいったほか、水流の方向を調整しやすくなりました。
うまく水流の方向を調整できることは、止水域の減少を期待できるのでオススメです。
その他の水流を弱める工夫
ナチュラルフローパイプを使用する以外でも、水流をコントロールすることは可能です。
それらに関しては以下の記事を参照していただけると、さらに知識をつけることができると思います。
コメントを残す